2/23(火)性教育先進国オランダに学ぶ「0歳からはじまるいのちと生き方の教育」

講師は、リヒテルズ直子さんをお招きして、第8回の講座が開催されました。

講座の事務局である阿部博子さんの開催レポートをご紹介します。

第8回「性教育をする上での指導者の留意点」

実際に性教育をするうえで、教員はどんなことを心がければよいのか。

今回の前半はこのことについて学びました。

子どもたちが安心して話せる場づくりであったり、授業の形式の工夫、子どもの自尊感情を尊重するためにはどうするか。また、LGBTQである子どもたちに対してどんな配慮が必要なのか、教員と生徒のプライバシーを守るためにはどうするか。

様々な具体的留意点がありますが、それらがマニュアルとしてしっかりと教員に提示されています。

性について学ぶことは、とてもプライベートな問題を学ぶことです。それを前提にしたとき、自分なりのボーダーラインをしっかり持ち、自分の気持ちだけでなく相手の気持ちも尊重し、お互いがあるがままの自分でいられることが本当に大切なのだと感じました。

それは生徒だけでなく教員も同じで、自分のボーダーラインを明確にし、Noと言えること、そしてその姿をを子どもたちに見せることも大切な教育であると。

では、私たちにできることは何なのでしょうか。

後半は、そのことについて対話をしていきました。

日本で性教育が普及しないのはなぜでしょう、どうすればその障害を乗り越えられるのでしょうか。学習指導要領の問題や、政治家の圧力、男尊女卑の意識、性についての話題がタブー視されていることなどが理由に挙げられましたが、それを乗り越えるためにできることとして出たアイディアは、すべてが私たち自身が実際にアクションを起こすことでした。

クローズドな社会からオープンな社会へ変わっていくために、私たちにできる具体的アクションとは―――。

この学びを共にした仲間とつながりを持ち、身近にいる性教育のリソースとなる人をさらに仲間としながら、まずは地方で自分の手が届くところで活動を広げていく。みんなで共通の大きなビジョンを持ちながら少しずつアクションを広げていく。

この講座で共に学んだ者同士のつながりを活かし、いろんなアイディアが出れば動きが加速する。初めは小さな行動でも、のちに大きなうねりとなっていくのではという可能性を感じた対話となりました。

今回でリヒテルズ直子さんの講義は最終回でした。

来週は、全8回を振り返る対話会です。

この8回で自分は何を学んだのか、感じたのか、「すごくよかった」「感動した」で終わらせず、周りに広げられるような自分自身の言葉を残したいと思います。