2/16(火)性教育先進国オランダに学ぶ「0歳からはじまるいのちと生き方の教育」
講師は、リヒテルズ直子さんをお招きして、第7回の講座が開催されました。
講座の事務局である阿部博子さんの開催レポートをご紹介します。
第7回「障害児のための性教育」
オランダでは2012年にすべての初等・中等教育学校で性教育を行うことが義務化されましたが、そこには、障害児を対象とする特別支援学校も含まれています。
障害児にとっても、一人の人間として、セクシュアリティや人間関係に対して責任ある選択ができるようになることが大切であり、自立的に生き、市民として社会参加できる人間になることが大切だと考えられているのです。
特に、障害児は性暴力を受ける危険が高かったり、セクシュアリティについての情報を受け取るのに困難な場合があるなど、普通の子供たちに比べて、より配慮が必要なことが多くあります。障害児とひとくくりに考えて、障害があるから普通の子と同じようなことはできないとするのではなく、知的障害や、視覚・聴覚・身体・自閉症・ADHDなど、様々な障害がある中で、その人に合った知識の吸収の仕方があることを理解し、それぞれの障害の特性に合わせた性的発達支援をすることが大切とされています。
教員に対しては、授業を行う上でのヒントや、参考の動画も各障害ごとに用意され、障害児への性教育のサポートに特化したサイトなどもあり、教員一人が頑張らなくてもよい仕組みが出来上がっています。
また、子どもや保護者が直接アクセスできる、障害児のための自立支援や思春期の子のためのガイダンス、性に関する相談のサイトなども設けられていて、正しい情報にアクセスできる環境が整えられています。
〈今日のキーワード〉
性教育を通じて、この社会で自立した人として生きていけるように育てること、自分たちの意志で選択できるようになることを目的とした時、性教育の中には人間としての成長に大切なものが詰まっている。
というリヒテルズ直子さんの言葉。
世の中には同じ人は一人としていない。
誰もがユニークな存在である。
障害のあるなしにかかわらず、一人の人間としてお互いに尊重し合いながら、誇りをもって生きることの大切さを感じました。
次回でリヒテルズ直子さんからの講義は最終回。
私たちには何ができるのか。
これを考えながらの1週間にしたいと思います。